圧着工具 IWISS SN-2549とENGINEER PA-24比較とSnakeOil-XY

3Dプリンター
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こんにちは ふうです。
11月頭位からSnakeOil-XYという3Dプリンターを組んでいます。
メーカー製でもなく、Voronの様なKIT売り(実はVoronではKIT非推奨らしい)をしている店があるわけでもないのでGitHubにあるBOM(部品表)から必要なパーツをいろいろな店で購入していって自分で組み立てる3Dプリンターです。

3030シリーズという30mm角(Voron2.4は20mm角)のアルミフレームを使っていてかなり重厚感がありカッコ良いです。
これは造形サイズが250×240×180です、標準で用意されているBOMはPrusaとおなじ250×230×230(MK3,MK4)と180×180×180(MNI)の2種類ですが組立中の物は高さだけ低めになっています。
フレームが太いのでその分剛性ありますが、かなり重いです。

KITではないメリットは完全に自分の好きなパーツで組むことが出来、好きに拡張できる事ですが、その分パーツに対する知識が無いとどれを買って良いかわからないです。
ほんとはKIT売りしているRatRigのV-CORE3.1がデザイン的にも剛性的にも好みで良さそうだったんですが、ちょっとベッドのサイズに対して筐体のサイズが大きすぎ(ベッドが300×300なのに奥行580mm)で断念しました。
RatRigはすべてパーツ同梱のKITと躯体以外の駆動部品などを自分で選びたい人向けのCONFIGURABLE KITもあります。
Prusa MK4などのKITとの大きな違いはMCU(メインの制御ボード)にファームウェアなどが書き込まれていない事です、自分の好きにできる反面自分でファームウェアを書き込みコンフィグファイルを編集して納得する動きになるまで設定する必要が有ります。

筐体サイズは3Dプリンターの機構にもよりますが、Voron2.4は床下に電装系パーツを全て収納するのでベッドサイズに対して床面積はコンパクトで庫内温度を上げやすい、ベッドは下で固定ガントリー部が上下動き、ヘッドは前後左右に動きます。
KITを販売している店によっては配線にしっかり端子を付けてくれているものもあるので良く選んでください(Siboor製がお勧めの様です)。
VoronがKITを推奨しない理由は定かではありませんが、多分1から自分でパーツを選定して好みの構成で組み立てることに意味があるんじゃ無いかなと思います。

V-CORE3.1は電装系パーツは全て背面にあるのと、ベッドを支えるフレームがベッドの前後に付いて(このため奥行きが長い)、ベッドが上下に移動するタイプ

Snakeoil XYは電装系は底面と背面に分割して配置、あとはV-COREと同じでベッドが上下に移動しますがベッドを支えるフレームはベッドの左右にあります。

背面にボードがあるとメンテナンスでいちいち筐体を倒す必要が無くて便利ですが、そのままだとむき出しなので環境によっては注意が必要です。

配線なども自分で考えて組んでいく必要が有るのですが電子工作初心者なので悩みまくり、間違いまくりで中々進んでいませんが、今回その中で使って便利だった圧着工具など電子系で使用した工具を紹介したいと思います。

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IWISS SN-2549

最近かなり有名なIWISS SN-2549です、SnakeOil-XY作成前から持っています。
中国のメーカーらしくAmazonで3千円以下で売っていて、それでいて2点同時圧着、ラチェット機構付きという事で圧着工具としてかなり優秀でどこを見てもIWISSが推薦されていてこれを購入しました。
便利な点もありますが、ちょっと気になった部分があるのでそこも紹介します。

IWISS SN-2549

メリット

被覆部と芯線部を2点同時圧着という事でカシメるのが1度で済み作業が単純に楽です。

この金額帯でラチェット機構が付いているものは他では見かけません、カシメている最中に手を放しても端子を落とすことは無く、カシメも適切な力で出来るので細かいことを気にせず出来てとにかく簡単です。

デメリット

2点同時圧着のためダイス(カシメる刃?の部分)が分厚く小さな端子なうえ、老眼始まってきたのと端子自体小さいものなので適切な位置にセットするのが難しいというかセットした端子にたいして配線がしっかり配置できているか確認が難しい

ラチェット機構のため全長190mm 重量400gと大きく重たい。

使ってみて

自分が使う用途としてはオーバースペックというかもう少し小さなものが良かったかなと、今まで電子工作で使った4種類(PH、端子、QI(正式には非対応)、SM)では先端の2つしか使いませんでした。
この辺りの端子でAWG22-28位の線を使うなら先端2つだけのSN-01BM(重さは一緒)で良いと思います。

SN-2549のダイスの厚みも先端1つ目に関してはSN-01BMと同じ4mmです、2つ目を使う場合厚みが7mmあるのでこれが見えにくさに関係しているかもしれません
値段はそんなに変わらないので大は小を兼ねると思った方はSN-2549で。

QI端子に使う場合

先端のダイスでは幅が微妙に足りず2番めのダイスを使うことになります。
ただしこの時左右どちらからみても問題なく端子と電線が噛み合っているかなど歯の厚みのせいで確認しにくいです、地味にストレス。

ENGINEER PA-24

SN-2549では端子のセットが難しいので軽くて薄いPA-24を買ってみました。
こちらは国産なのでやはり少し高い上にラチェット機構は無いので自分でカシメ具合を調整する必要が有ります。
発売されたのは2022年後半らしくPA-9やPA-20はあってもPA-24を紹介してるブログが少なかったのですが、QI端子に正式対応しているという事で購入してみました。

エンジニア PA-24

メリット

全長160mm 重量115gと軽くて小さい、届いた第一印象は「え?こんなに小さい?買い間違えた?」でした。
先端2つは丸型ダイスでQI端子用丸くきれいに収めてくれる
ダイスが薄く、置いた位置が見やすく調整しやすい

デメリット

SN-2549とは違い被覆部、芯線部別々に圧着しなければならない圧着の回数が増える、自分で考えて圧着の力をコントロールしないといけない、疲れる。
ラチェット機構も無いので慣れが必要。

ロック機構が軽いし、指で触りやすい場所にあるので度々カシメ中にロックされてしまってちょっと不便。

使ってみて

軽いし見やすくて使いやすい、最高!!
使うにはなれが要るがちょっと練習すれば使いやすい。

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SN-2549とPA-24どっちがいい?

SN-2549はラチェット機構、2か所同時圧着といった便利機能を備えていて便利だとはおもいますが、やはり軽くて端子をセットしやすいPA-24が好みです。
3Dプリンターなので圧着は100も200も有りませんが、10や20は続けて作る場合もあるので軽さやセットの楽さは大事です、細かいストレスがメチャクチャ減りました。

QI端子も作る必要が有ったのですが、QIに正式対応していないSN-2549では被覆部の形が悪くなり上手くハウジングに入らないことが多々ありましたがPA-24を使う事で不良がかなり減りました。

というわけでちっちゃくって軽いENGINNERのPA-24推しです。

エンジニア PA-24の使い方

まずは芯線部の圧着から。
端子を良い位置にセットしてから電線を配置。
芯線部は一旦金属がクッとつぶれて空間が無くなる感触があるので、そこからグッと力を込めてつぶす感じ。これを怠るとすっぽ抜ける。

一旦被覆部の金具の開き具合を工具の先端で整えて平行を出す、平行出しも同じ工具で出来る。

被覆部の太さと同じような場所にセットするして被覆部の噛みこみ具合を見ながら、隙間が無くなるまで締める、力は不要
締めこみ過ぎると被覆が裂けてしまう。
被覆が裂けていると段々と切れていきます、注意しましょう。

こんな風に切れます

必要なのは慣れなのでとにかく練習しましょう。
一応ネジカッターも付いてますが、後述するロブテックスのFK1Aの方が大きいのでカットしやすいと思います、とはいえカットするのは基本M3でM4は硬くていくつもカットする気にはなりません。

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ワイヤーストリッパー

電線を向くためのワイヤーストリッパーも必要です
カッターやニッパーでもできますが、いちいち慎重に作業する必要が無くなるので合った方が楽です。
これもラチェット機構では無いですが太さを気にせず皮膜を向ける工具もありますが、やはり重くて大きくなるのでその辺りとの相談ですね。

Snakeoil XYの組立ではAWG16 18 22の3種類の太さの電線が指定されています。
VoronはKITを販売している店によっては配線にコネクタが既に付いているものもありますが、AWG16 18 24が指定されています。
電子工作でもっと細い(数字が大きい方が細い)物を使う事を考えてもAWG 28位まで対応しているものを買っておけばよいと思います。

電線の太さにはmm単位を先ほどのAWGのものと2種類あるので注意が必要です。
最初に買ったとき特に考えずにmm用を買ってしまったので毎回試してから皮膜向いてますが、AWG基準のものだと16~28まで対応しているものがなかなか無いようです。
多少カッター側のサイズが大きい分には残った皮膜をちぎるとかで対応していますが、そもそも単線とより線でもサイズ表記は一緒でも刃のサイズは違うみたいなのでさらにややこしいです。
まぁAWG16は100V用の太い線なのでそんなにカットする数もないしAWG28~20とか18までくらいで考えるのが良さそうです(AWG 16は後述するロブスターの電装圧着工具でも被覆を剥けます)

そのほか評判良さそうなのはベッセルの3600E-4

線幅も幅広く対応していてAWG、mm表示両方併記されていて、かなりよさげなフジ矢 黒金ワイヤーストリッパB型 P323B-165-BG(A型は太線用)、Amazonレビューがちょっと気になる、、、。

というわけで比較用に買っちゃいました。
左は元々持っていたHOZAN P-960なぜかミリ線用のやつです。

結果Amazonのレビューで低評価なのもわかる気がします。
なんか噛み合わせが悪くてロック解除してるのに開かない時があります。
カットするときに閉じて自動で開かず、両手を使って開けることがあり非常にストレスが溜まるかなと。
使っているうちに馴染んでくるといいんですが。


あと正直こんなに細い電線は使わないのでもう少し穴の数が少ない方が楽ですね、、、
HOZANは5個しか穴がないですが、微妙にサイズが合わなくて切れてなくても電線回して切ればいいやとか割とアバウトには使える感じ。
キッチリした性格の方には向いてるかもですが、個人的には何番めとか数えるのが面倒かもです。
あとグリップの感触もP-960の方が好みですね。

何本もまとめて剥けて便利なエンジニアのPAW-01やはりちょっと重たそうです。

そのほかの工具

AWG 16の電線があるので裸圧着端子やオープンバレル端子などの太めの端子を圧着する工具も必要です。
裸圧着端子とオープンバレル端子に対応したエビのマークで有名なロブテックスのFK1A、40年ぶりのリニューアルだそうです。AWG 16のワイヤーストリッパーやネジカッターはこの工具についています
絶縁被覆付きの端子には対応していません、絶縁被覆付きだと被覆越しに圧着することになり、被覆無しと比べるとカシメが緩くなるそうなので裸圧着端子を使って後から被覆をかぶせています。

フェルール端子用圧着工具 ホットエンドまでの配線を差し込む緑の端子や分配用のWAGOなど使う個所は結構多いです、WAGOは圧着せずともそのまま配線を差し込めますが、抜き差しするとき毎回先端がほつれるのでそのままはあんまりよくなさそう
中国製3Dプリンターの中ではフェルールを使うべきところをなぜかはんだで固めたうえカシメていたのでだんだんとはんだが割れ、そこから火が出たりしたのを2022年後半頃Twitterで見かけました。

はんだごては初心者こそ温度調整機能が付いているものがお勧め、温度調整機能が無いものだと温度が上がりすぎた時濡れスポンジなどに押し当て自分で温度を下げないといけない
goot のPX-280は80Wのセラミックヒーターなので昇温がメチャクチャ早いです。
Snakeoil XYの組立にはインサートナットを押し込むときに必要(M3,M4,M5を使う)です、通常のこて先でも挿入は出来るけどあまり先端が細いとインサートナットが深くまで刺さりすぎるのである程度鈍角な小手先が必要です
はんだごてが無い場合はネジにインサートナットを差し込んでライターで炙って押し込むこともできますが、良い位置に収まりきらなかった場合の再加熱が面倒ですし、なにか持ってた方が良いです。

やはり工具がある程度揃ってないと3Dプリンターの組立は大変ですね、パーツの価格もそれなりにしますが工具代もばかにならないです。

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