こんにちは、ふうです。
eSun ePA-CFやABS等プリント時に部屋に充満する臭い対策はしていますか?
3Dプリンターをエンクロージャーに入れて隔離するだけでも臭いはほとんど気にならなくなるかもしれませんが、エンクロージャー内で発生するガスを活性炭に吸着させればさらに良いと思います。
プリント時の臭いは頭痛を起こしたり気分が悪くなったり、変な味が口の中に残ったりと良いものでは無いので最低限換気するなど出来るだけ対処してくださいね。
プラスチックを溶かしているわけですから基本的には高温であればあるほどガスは発生するようです。
活性炭を中に入れてファンを回して3Dプリンターの入ったエンクロージャー内のガスを吸着させるNevermre Micro V4を、作成してみましたので記録を残しておきます。
Nevermore Micro
メーカー製ではなく有志の方々で作られたプロジェクトだそうです。
V4とV5 Duoの2種類があります。
V5 Duoはデュアルファンなので大きいし電源もちょっと考える必要があります。
Prusa MINIに使うならシンプルにV4でいいんじゃ無いでしょうか。
V4だとちょっとパワー不足な気がしてきましたのでファンを2機搭載しているV5がいいかなぁ。
STLデータや細かい説明はこちらをご確認ください。https://github.com/nevermore3d/Nevermore_Micro
準備するもの
Voronに取り付ける場合はGitHubのBOMを確認してください。
Aliexpressでキットが売っているのでそれでも良いかもです。
- 12v 5015ブロワーファン
- DCプラグ メス 外形5.5mm 内径2.1mm
(DCプラグは写真撮る前に付けちゃいました、はんだ付けに自信が無い場合はケーブル付きの方が楽かもです) - USBの5V を12Vに昇圧するケーブル(写真なし反対側はDCプラグ オス 外形5.5mm 内径2.1mm)
ACアダプターでも可 - 活性炭
- 瞬間接着剤(セメダイン3000ゴールド ゲルタイプ DAISO)
- ネオジム磁石 直径6mm 厚さ3mm 8個
- m3 ネジナット
- ネジ 12mm 4本
- ネジ 20mm 2本
- ナット 2個
- インサートナット2個
- STLデータのプリント物(カットガイドはプリントしていません)
- FAN_PLENUM_6_3.stl
- FAN_PLENUM_LID_6_3_by_Dom186.stl
- FILTER_CARTRIDGE_6_3.stl
- FILTER_CARTRIDGE_LID_6_3.stl
- BASE_V2.stl
- 適当な脚データ
- 工具(ドライバーとかニッパー、ミニリューター、はんだごてとか)
5015のブロワーファンはSunon Maglev MF5015VX か GDStime 6000rpm Dual Ball bearing を Aliexpressで買えと有ります。
ただし、Sunonのファンは偽物が多いらしいです、Aliexpressで購入しましたが本物かどうかは ?です。
Sunonはブロワーファンのパルス(高速でON/OFFして回転数を落とす)制御は推奨していないようなのですが、今回買ったもののシールをめくると元々3芯だったことがわかります。
この3本目の線ってパルス制御の際に実際の回転数がどうなっているのかを返す信号線らしいです。
先端が切りっぱなしなので、外径5.5mm内径2.1mmのDCジャックを使います。
USBで電源を取ろうとしても5Vなので昇圧する必要が有ります。
DCジャックの先端は電子パーツショップで買えばコードなしの先端だけ100円くらいで買えます。
5Vファンが扱いとしては簡単ですが、風量が少ないものがほとんどだと思います。
Amazonで探す場合はこの辺とかはUSB接続なので扱いが簡単ですが3500RPM の2.91CFMと少し弱いです。
こちらの5Vを使っていましたがちょっと高音が大きくうるさいです。
Aliexpressのものの方が少し落ち着いた感じになります。
(うるさく無いことはない)
プリントパーツ
上記GitHubからダウンロードしてPETGより耐熱性のある素材でプリントしてください。
エンクロージャー内で使用するのでPLAでは軟化する可能性(ほぼ無いと思いますが)があります。
こちらではVoxelabのABS Proグレーでプリントしました。
積層で割れやすいので怪しければ先に削る等対策してください。
Pixmarion ABSの方が積層割れしにくいかも。
ファンの解体
ファンをプリントパーツに内包するため殻割りする必要があります。
先端の鋭いニッパーかミニリューターでバラします。
本来はSTLにカットガイドがありますが、適当にばらしました。
壁が取れたらミニリューターにダイヤモンドカッターを付けてみました。
ダイヤモンドカッターは側面でヤスリもかけられるのでちょっときれいにしました。
インサートナット挿入
こちらを先にしてもいいですが、はんだごてでインサートナットを付けます。
アルミブロッック(ヒートシンクでも可)を押し付けるとプリント面と水平になりますし、温度が冷めるのも早くなるのでお勧めです。
磁石の接着
活性炭ケースとファンケースに磁石を付けます、DAISOで購入しました。
とりあえず片面4つ分に接着剤を入れ、磁極を間違うとえらいことになるので磁石をくっつけた状態で順に差し込みます。
瞬間接着剤が良いです、しっかり固めてから次のを付けないと手持ちの分に磁力で飛んできます。
ファンの接着
適当に接着剤を付けて真ん中に接着してねじ止めします。
ちなみに小さな穴が奥の壁に2つ見えますが、本来コチラにファンの電線を一本ずつ差し込んで奥の溝に逃がすのかと思いますが、DCプラグを先につけているので横の通路から逃がします。
ふたを閉めるときはファンが干渉するので蓋を少し曲げて入れました。
活性炭
蓋閉めたところは取り忘れです。
4×8メッシュを買いましたがペレットの200gの方が使いやすいと思います。炭って軽いですよね、1度に100gも使わないので3Dプリンターでの使用であれば半永久的に使えそうなので、、、。
気分的に交換したければ年1とか数か月に1度とかのレベルでも十分過ぎると思います。
活性炭と普通の酸味の違いは下記をお読みください。
活性化反応 賦活(ふかつ)
http://www.kuraray-c.co.jp/activecarbon/about/01.html
「活性化反応は賦活とも云われます。賦活は炭素質原料を多孔質材料に変える反応操作です。
方法は薬品賦活とガス賦活の2種類があります。」
ざっくり書くと、原料を「炭化」させて、「賦活」処理をしたものが活性炭だそうです。
NeverMoreのGitHubに書かれていますが、酸洗浄した活性炭は避けて蒸気洗浄の活性炭を使う必要があるそうです。
数分で酸化して錆びたとあるので、購入した活性炭(販売業者に確認を取るのが確実です)とネジ類をビニール袋に入れて一晩放置すれば錆びるかどうか判断つくと思います。
脚のねじ止め
脚にナットを入れておいて、ファンカバーからビスを入れます。
完成
ファンには2.1mmのDCカプラーを付けているので USBの5Vを12Vに昇圧するケーブルを使用しています。
ラズパイ4BのUSBポートに刺してプラグインでオンオフしようと思ってこれにしましたが、サイズと電圧が合えば家に余っているACアダプターでも大丈夫です。
結局Merossの電源タップを購入してそちらで管理しています。
3Dプリンターの電源と、Nevermoreの電源をiPhoneからコントロール出来るようになりました。
これでプリント時の匂いや有害成分が少しでもましになってくれれば良いのですが。
ちなみに12Vの高速ファンだけあってソコソコうるさいです。
本来1515フレーム固定するものなのでちょっと不安定です
適当な脚を作って安定感出しました。
補足
ここまで作っといてアレですが、Voron 0.2位のエンクロージャーならともかくMINIの周りを大きく囲む45cm角位のエンクロージャーならNevermore v4ではなくv5か最近出たv6が良さそうですね。
v5はファンを2機搭載しするタイプなので換気能力が高い
v6はv5と同じくファン2機だがファンの殻割りをする必要が無くなった見たいだけど、ちょっとプリントの難易度が高そうなタイプです。
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